高橋です。
昨日に引き続きまた水のお話をさせて頂きます。この種の関係でお問い合わせが多いのは「RO水」と「純水」の違いです。ROとは日本語で逆浸透膜といい、英語ではReverse Osmosis Membrane といいます。この頭文字をとってRO(普通Mは略します)と呼んでいます。大変小さな穴が開いており、ここにポンプで加圧した水を送り込みます。通過できた水のイオン量は減りますが、通過できなかったイオンは濃縮された排水として相当量でますので、入れた水の全量を出口側で透過させることができない事から、フィルターや濾過という手法には当たりません。イオン交換樹脂方式で製造する「純水」と比べ、「RO水」の導電率は少々悪く、一般的に数µS/cm~20µS/cm程度であり、イオン交換樹脂方式よりは良くありません(2段式ROは考慮しません)。反対にメリットも色々ありますが、純水洗車を目的とした場合、以下の特徴がデメリットになるのではないかと思われます。
①排水が相当量でる(もったいない)②排水が出る分、水の勢いが弱くなる(別置きのタンクが必要になる)③ポンプが必要(電源が必要)④屋内使用の場合、ポンプの動作音が騒音となる場合がある⑤初期価格が高額⑥計器類(圧力計・流量計)のチェックが都度必要⑦水温低下時(冬期)に処理水量が減る。1℃低下で数%流量ダウン⑧出張洗車等の移動に適さない
など、洗車に対して「RO水」の水質じたいは悪くはないと思いますが、弊社ではお奨めしていないのが現状です。詳細はお問い合わせください。
写真は日東電工製8インチRO膜
(1本で約1トン/hのRO水が製造できます。洗車に使用するには瞬間流量でこれぐらい必要ではないでしょうか?)