局方精製水とは?純水と何が違うのか

高橋です。

1351308905-2226430721[1]日本薬局方第16改正を読み進めますと、純度試験が載ってます。

有機体炭素試験を行うとき0.50mg/L以下である。また導電率は2.1µS/cm以下となっています。

ん?2.1µS/cm?純度悪いんじゃないの?と思われるかもしれませんが、実はこれはオフライン測定といって、純水器からサンプリングした水を別の導電率計で測定した数値のことです。

 

以下局方の文章・・・本品の適当量をビーカーにとり、かき混ぜる。温度を25±1℃に調節し、強くかき混ぜながら、一定時間ごとにこの液の導電率の測定を行う。5分当たりの導電率変化が0.1µS・cm⁻¹以下となったときの導電率を本品の導電率(25℃)とする。

なんのこっちゃ?かもしれませんが、製薬工場で精製水を使用する場面は器具の洗浄だけでなく、調合タンク内で原料原薬と精製水を混ぜる事もあるはずです。いくら精製水製造装置での水質が良好でも別の場所に計量されて移された時の相当時間経過後の水質を見るべし!ということなのです。

精製水は溜めると炭酸ガスを吸収し、やや劣化していきます。しかし、飽和すると吸収も終わります。その限界が2.1という事なんでしょう。

また不思議なことに同じ精製水でも冷却したり、加温したりすると導電率は変化します。そこで統一して25℃にしようという事です。実際は製造装置の導電率計で1.0以下を守っていませんと、外に出して2.1を守れないと思います。

よって局方精製水は純度が悪くてもOKではなくて、更に厳密なところを考慮しているといっても良いと思います。一般的な純水よりも更に手間のかかる試験もして、安全に管理されている必要があります。

 

 

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